今回は、ピアノの打ち込みについて紹介したいと思います。
ピアノは、既にコードを割り出す際に8小節分打ち込んであるデータがありますので、これに編集を加えていきたいと思います。
■ ヴォイシングを考える
ピアノやギターなど、コードを弾ける楽器では、
コードの構成音をどのような音の配置で弾くかというのが重要になってきます。
例えばピアノでCコードを弾く場合、基本形は[C] , [E] , [G]という並びになりますが、
他にも以下のように音の配置を変えて転回形という形でCコードを鳴らすこともできます。
・ Cコードの基本形 : [C] , [E] , [G]
・ Cコードの転回形1 : [E] , [G] , [C]
・ Cコードの転回形2 : [G] , [C] , [E]
このようにコード構成音の音の配置を設定することをヴォイシングといいます。
次のコードに移る際、なるべく音の動きが少ないほうがスムーズに移行しますので、
ヴォイシングで音の配置を変えて、ノートの動きが少なくなるように編集したいと思います。
では、まず3小節目のコードに対してヴォイシングを考えたいと思います。
3小節目はCコードですが、一番上の[G]の音を1オクターブ下げた転回形にしてみました。
前後のAmコードとは[C]と[E]が共通してますので、一番低い音だけが動く流れになりましたね。
また6小節目の2拍目のGコードと、8小節目のCコードも、基本形の並びだと前のコードから
大きく動いてしまっているので、この2つのコードも転回形に編集しました。
必ずしもスムーズな流れにする必要はありませんが、
動くポイントと動かないポイントを作って、コードの動きにもメリハリを付けると良いでしょう。
なおヴォイシングには、オープン・ヴォイシングとクローズド・ヴォイシングがありますが、
今回使用したのは、1オクターブ内だけでコード構成音を配置するクローズド・ヴォイシングという方法になります。
■ ストロークとアルペジオ
次に、コード構成音を同時に弾く回数とタイミングを編集します。
今回は、ベースのリズムに併せて2回ストロークするようにしました。
なので1回目のストロークは、付点4分音符の長さで切ってます。
また5小節目は、6小節目の盛り上がりを演出するためにアルペジオの形に編集しました。
アルペジオの打ち込みの考え方は、ギターと同じになります。
■ ベース音を入れる
今回の楽器編成のように、ベース楽器が組み込まれている場合は、
ピアノのベース音を入れなくても問題はありませんが、
ベースの音を入れる入れないでは、響きが変わってきますし、
ピアノ演奏にノリを加える上でも必要だったりしますので、
必要に応じて入れると良いでしょう。
■ コードをスムーズに移行させるラインを作る
またギターの打ち込みでもやりましたが、
ピアノでも6小節目から7小節目に移行する際に単音で移行するラインを作りました。
ギターでは、1オクターブ上の[G3]の音でラインを作ってますので、
ピアノの[G2]の音とは、ユニゾンする感じになります。
以上で、ピアノの打ち込みは終了です。
次回は、リズム楽器にコンガを加えたいと思います。
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