今回は、ギターストロークの打ち込み例を紹介したいと思います。
■ ギターストロークの打ち込み
ギターには、基本的に6本の弦が張ってありますが、この6本の弦は、どの弦も押さえていない状態(開放弦)で、
低い音の弦からE – A – D – G – B – Eと鳴るようにチューニングするのが基本です。
なので打ち込みも、まずはE – A – D – G – B – Eの6つのノートを用意しましょう。
後は、この6つのノートをコードの構成音のみになるように移動させます。
基本的には、今の状態から上の方向にしか移動させません。
では早速、5小節目のFコードを作りたいと思います。
Fコードの構成音は[F] , [A] , [C]になりますので、この3つの音のみになるようノートを上方向に移動させます。
F – A – F – A – C – Fという並びになりました。
ちなみに実際のギターでFコードを弾く場合、下から2つ目の音は[A]ではなく[C]になります。
これはバレーコードという奏法を使うからなのですが、
打ち込みの場合はあまり気にせず使いたい響きの方を選択して良いでしょう。
とにかく[F] , [A] , [C]の音で構成されていればFコードであることに変わりはありません。
同じように3~4拍目のGコードも作ります。
Gコードの構成音、[G] , [B] , [D]のみが使われるようにノートを移動させます。
6小節目~8小節目も同じようにコードの構成音のみ使用されるようにノートを編集していきます。
これでも問題はないですが、6小節目のコードに対して以下のような編集を加えました。
・ 1拍目のCコード : 一番低い音が[C]の音になっていないため、一番下の[E]のノートを削除しました。
・ 2拍目のGコード : 前回のベースの打ち込みで、一番低い音(ルート音)を[B]の音にしましたので、
一番下の[G]のノートを削除して、2番目の[B]のノートを一番低い音にしました。
・ 3~4拍目のAmコード : 一番下の[E]のノートを削除して、2番目の[A]のノートを一番低い音にしました。
またこの6小節目は、一番高い音(トップノート)が段々上がっていくラインにしたかったので、
Amコードのトップノートを[E]から[A]に変更しました。
後は、リズムに合うようにストロークする回数とタイミングを編集します。
今回はベースのリズムに合わせて2回ストロークが入るようにしました。
またストロークの間に単音でメロディラインを挟むことで、ギターの音を印象づけるポイントを作ることができます。
今回は、6小節目のAmコードから7小節目のFコードに以降する部分に、トップノートが動くポイントを作りました。
このように、隠し味的な音を散りばめることで、アレンジのクオリティが上がりますので、是非お試しください。
ただし、あくまでメインはボーカルのメロディなので、ボーカルに影響が出ない程度に加えると良いと思います。
■ ダウンストロークとアップストロークについて
また実際のギターのストロークには、ダウンストロークとアップストロークの2種類の弾き方があります。
・ ダウンストローク : 低い弦から高い弦に向かってストロークする奏法
・ アップストローク : 高い弦から低い弦に向かってストロークする奏法
これらを打ち込みで再現するには、各ノートの発音タイミングと強弱&音量を微妙に変動させます。
ダウンストロークは、低いノートから順番に鳴るように調整し、
アップストロークは、高いノートから順番に鳴るように調整します。
※微調整したい場合は、スナップを切ってから調整すると良いでしょう。
この2つのストローク奏法とストロークする回数、タイミングを組み合わせることにより
色々なストロークパターンを作ることができます。
※ノートの強弱の調整方法は、また別の記事で紹介致します。
以上で、ギターの打ち込みは終了です。
今回紹介したのは基本的な打ち込み例のみですが、生ギターではできない=ダメというようなことはございませんので、
是非、固定概念には囚われず、打ち込みでしか表現できない自由な発想のギターフレーズを作ってみてください。
次回は、リズム楽器の追加とピアノの打ち込みデータの編集を進めたいと思います。
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